2026年06月26日 (金)

学びの風景「子ども家庭福祉」―子ども虐待に気づくために―

初等教育学科1年生開講の「子ども家庭福祉」(赤木拓人講師担当)の授業をご紹介します。
この授業では、子どもや子育て家庭の抱える課題を解決するための制度や保育所を含む児童福祉施設等について学んでいます。
今回のテーマは、「子ども虐待、ドメスティック・バイオレンスとその防止」です。子ども虐待の定義や現状を学ぶとともに、虐待を防止する必要性と、保育士に何ができるのかを考えました。
まず、映像教材を視聴し、子ども虐待を受けた経験が、その後の成長や生活、人との関係などにどのような影響を与えうるのかを考えました。子ども虐待は、その場限りの問題ではなく、子どもの育ちやその後の人生にも関わりうることを学びました。また、ドメスティック・バイオレンスについても、家庭内の大人同士だけの問題として捉えるのではなく、そこで生活する子どもの安全や心身に影響しうる問題として考えました。

〈映像教材を視聴し、子ども虐待がその後の人生に与えうる影響について考える様子〉.jpg
〈映像教材を視聴し、子ども虐待がその後の人生に与えうる影響について考える様子〉

続いて、保育所での場面を想定した事例を用いて、子ども虐待への「気づき」について学びました。学生は、まず個人で事例を読み、虐待が疑われる事実を文章中から書き抜きました。その後、グループで互いの着眼点を確認しながら、子どもの様子や保護者との関わりの中に、どのような気になるサインが表れているのかを検討しました。

子ども虐待への対応では、一つの情報だけで虐待と決めつけることはできません。一方で、「何となく気になる」という感覚をそのままにせず、事実を丁寧に捉え、周囲の保育者と共有することが、子どもを守るための第一歩になります。日常的に子どもや家庭と関わる保育士だからこそ、小さな変化に気づける可能性があります。

保育者を目指す学生に、まずは子ども虐待が身近な社会の中に存在する現実を知ってほしいと思います。そして、子どもからのサインを「見つけられるか」だけではなく、「気づこうとする姿勢」を身につけてほしいと考えています。今回の学びが、子どもの安全と権利を守る保育実践につながることを願っています。




【短期大学部 初等教育学科】