児童学部 子ども心理学科

ホーム大学院・学部・学科児童学部 子ども心理学科 / 主な授業・ゼミナール紹介

授業紹介

心理学研究法

研究のための理論や技法を学ぶ講義と演習

実験計画法や質問紙法、ならびに保育・教育現場で必要となる観察法や面接法などの研究手法の理論と技法を学びながら、子ども心理学研究におけるデータ収集の位置付けと重要性を理解する授業です。各研究手法を用いた実験・調査を行い、講義内演習と学外個別演習を通して、データ収集の基本的なスキルを体得します。心理職を目指す上で重要な内容を盛り込んでいます。

心理学概論

心の仕組みと子どもの心理・行動の形成過程を理解する

心理学の成り立ちや、人の心の基本的な仕組み・働きに関して概説する授業です。乳幼児期から青年期に至る発達過程を継続的に捉え、子どもの心理・行動の形成過程を、子どもが育つ社会文化的環境と関係付けて考えます。

児童文学

児童文学を理解・分析して教材を作る方法を学ぶ

児童文学全般をジャンルごとに分類して理解し、分析を行います。また、大型絵本や人形劇などの実践的な教材と児童文学との関わりについて学び、実際に教材を作成して発表します。

心理学実験

実験を通して心理学の基本的な方法論を学ぶ

学生がグループに分かれ、基礎的な心理学的テーマについて、お互いが実験者と実験参加者となって実験を行い、データを収集し、統計的分析を行い、考察し、これらを実験レポートとしてまとめます。この体験的・実践的な授業を通して、心理学の基本的な方法論の理解・習得と、データ解析法、そして、科学論文の作成法などについて学修します。

精神疾患とその治療

心理臨床の実践に不可欠な精神医学の知識を学修

子どもの心身症およびさまざまな精神疾患を取り上げます。子どもの発達に伴って変化していく病態や、発症の原因、メカニズム、症状、治療法、予防法を学び、理解を深めていきます。

公認心理士の職責

公認心理師の職責を果たすための知識や技術を学ぶ

公認心理師は「国民の心の健康の保持増進に寄与する」という責任ある職業です。その職責を果たすために必要とされる知識・技能や、医療・福祉・教育・司法・産業の5分野での業務について具体的に紹介していきます。

ムーブメント療法(2)

さまざまな子どもに実践するための応用力を磨く

ムーブメント療法とは、動くことを通して子どもの「からだ、あたま、こころ」の発達を支援する教育理論です。「ムーブメント療法①」で学んだ基礎に基づき、幼児教育・保育の場をはじめ、重度重複障害児・知的障害児への支援の場で実践するための応用的方法を学びます。遊具、教材、音楽の活用法を身に付け、支援者に必要な感性や柔軟な思考力を養う、問題解決型の実技演習が中心です。

健康・医療心理学

小児医療におけるカウンセリングを学ぶ

小児医療の特徴や病児の心のケアについて理解し、家族への対応なども学びます。場面に応じたカウンセリングモデルを考え、医療現場でのさまざまな課題に柔軟に対応できる力を身につけます。

心理的アセスメント

教育現場で活かせる心理検査の実施技術を習得

主に子どもに対する各種心理検査の実施技術とアセスメント(査定)方法について学びます。学生が互いに検査者と被験者の役割を演じながら体験的に技術を身につけることができます。

現代子ども・家族・社会心理研究(3)

子どもの健全な成長のための支援方法を学ぶ

社会のひずみは、環境の変化に最もデリケートに反応する子どもたちや精神的な脆さを抱えたものに、如実に表れます。子どもが示す非行や精神的な障がいは、社会全体が病んでいる問題を敏感に察知して、異常を知らせてくれる警報でもあります。非行臨床をはじめ臨床現場での事例をもとに、生きづらい時代に生きる子どもたちに焦点を当てつつ、その背景にある家庭や地域社会の問題を分析し、健全育成とは何かを学び支援のあり方を習得します。

心理学統計法(2)

データの統計解析方法を例題を通して身につける

表計算ソフトウェアExcelおよび統計解析ソフトウェアSPSSを用いて、データの統計解析方法を学びます。実習を通して体験的に学習し、統計処理方法を含めた研究計画を立てることを目標としています。

心理演習(1)

個人心理療法の観点から、支援の実際について学ぶ

個人心理療法の観点から、心理学的支援の実際について体験的に学びます。まず子どもの心理療法に占めるプレイセラピーの位置を確認するために、遊びの意義や心理療法の歴史的経緯を捉えながら他の心理療法との違いを理解します。

「子どもの社会力と非行のメカニズム研究」ゼミナール 春日 美奈子 教授

非行は、子どものSOSでもある

子どもの問題行動は病める社会の反射鏡と言っても過言ではありません。少年非行の原因は、少年ごとに千差万別であり、何か一つに帰責することは難しく、さまざまな問題が絡み合っています。本ゼミナールでは、少年を犯罪に走らせないためには何が重要なのか、更生の方策は何かについて取り組んでいます。結果だけでなく、その深層を探ることを忘れずに、子どもの健全育成をサポートできる人に成長してほしいと願っています。

「発達臨床心理学」ゼミナール 石川 満佐育 准教授

研究を通じて知識を生み出す経験を

本ゼミナールでは、「人々のこころの健康の向上に寄与する知見を見出すこと」を主題とし、学生各自が関心のあるテーマを設定し、心理学的方法論を用いて卒業研究を行うための取り組みを行っています。勉強は「知識の吸収」ですが、研究は「知識の生産」です。ゼミ生には、卒業研究を通じて、自分が関心のある事柄について知識を生産する経験をしてほしいと考えています。

その他のゼミナール例

  • ・学校における心理教育的支援
  • ・発達臨床
  • ・心理生理学
  • ・子どもの心と体の健康
  • ・子ども発達支援とムーブメント教育・療法

卒業研究テーマ例

  • ・自己肯定感と居場所の関連性
  • ・共同注意場面における指示詞の使い分け
  • ・サブリミナル効果の影響
  • ・香りが精神集中に及ぼす影響
  • ・育児不安の軽減について ~養護教諭の視点を踏まえて~