2025年12月23日 (火)

東書文庫を見学

皆さんこんにちは、もりもりです。近頃は急に寒さが増し、より一層冬に近づいたように感じます。さて、今回は鎌倉女子大学教育学部で行われた「東書文庫見学」に参加しました。教育学部では、教室での学びだけでなく学外で実際に見て体験して知見を広げる取り組みを行っており、今回の見学もその一環として、教育の歴史に触れる貴重な機会となりました。
私が訪れた「東書文庫」は、学校の教科書を多く出版している「東京書籍株式会社」が運営する、日本で最初の「教科書専門図書館」です。建物は昭和初期の建築で、黄褐色のスクラッチタイルの壁とアール・デコ調のデザインが特徴的で、落ち着いた雰囲気を漂わせていました。東京書籍は、明治時代から現在までの学校で使用される教科書を作っています。東書文庫では現在約16万点の教科書が保管されており、そのうち7万6420点が国の重要文化財に指定されているそうです。
見学ではまず、東京書籍や東書文庫の歴史、教科書の歴史、教科書の保存方法についての映像を視聴しました。その後、実際に展示を見学しました。展示室には江戸時代の寺子屋で使われていた往来物から、明治から現代の教科書まで、時代を追って展示が並んでいました。
江戸時代の往来物は紙が黄ばんでいて、文字も旧字体で書かれており、当時の日本語の姿や学び方の違いがよく分かりました。農業を学ぶ「百姓往来」や商業を学ぶ「商売往来」など、現代のように教科ごとに分かれていない点もとても興味深かったです。明治37年の国定教科書「尋常小学読本」では「イ」「エ」「ス」「シ」など意味を持たないカタカナが並ぶ、いわゆる「イエスシ読本」と呼ばれるものがありました。昭和に入り、第4期「小学国語読本」がつくられるようになるころには印刷技術が進化し、カラー印刷が施されるようになります。また、戦時中の教科書には「国」「家族」「忠義」といった語句が多く見られ、当時の社会情勢や教育の方針が強く反映されていました。
一方、戦後の教科書は色鮮やかになり、子どもが楽しく学べるような工夫が見られました。特に、小学校一年生の教科書のはじめのページの方は文字がほとんどなく、イラストで構成されていたことには驚きました。文字を学ぶ前に、まず「感じる学び」を重視していたことが伝わってきました。
今回の見学を通して、教科書は単なる学習の道具ではなく、時代の社会や教育観を映す存在であることを実感しました。普段何気なく使っている教科書の一冊一冊にも、長い歴史と人々の思いが込められていることを知り、教育に携わることを目指す者として視野が広がりました。これからも、こうした学外での学びを大切にしていきたいと思います。

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<東書文庫の入り口と見学した学生>(写真:えい)

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<東書文庫の敷地内にある銅像>(写真:えい)




【教育学部教育学科】