2024年11月16日 (土)
授業紹介「生理学実習」
「生理学実習」は、2年次の秋セメスターに行われます。解剖生理学の講義で学んだ基礎医学の知識を活かし、人体の正常な身体のはたらきやその調節のしくみを学びます。この実習では、自らの血糖値、骨密度、血圧などを測定し、それらの数値から、身体の状態を評価する力を養うことを目的としています。
今回の実習では、2回にわたり血糖値と乳酸値の変化を調べました。微炭酸の糖質液(サイダー味)を飲んだあと、1回目は安静時の血糖値と乳酸値を測定しました。2回目では15分間の運動負荷(歩行運動または階段昇降)を行ったあとの血糖値と乳酸値を測定しました。高校の生物基礎の授業や大学の講義で学ぶインスリンや血糖の調節について、実際に自身の血糖値を測定することで、血糖値の上昇とインスリンのはたらきを実感することができました。また、運動後のグルコースとその代謝産物の乳酸を測定することで、運動が糖の代謝に与える影響や、解糖系のプロセスについて理解を深めました。また糖尿病の治療法としての運動療法や食事療法の有効性についても考察しました。
今回の測定結果から、血糖値や乳酸値の変動には個人差があり、さらに運動習慣の有無や運動負荷の強度が血糖値と乳酸値に影響を与えることも確認できました。
(自己採血して、血糖値と乳酸値を測定しました)
(向かって左が血糖値、右が乳酸値の測定器です)
(測定結果をグラフ化し、それを基に血糖値や乳酸値の変動を考察しました)
管理栄養士は、人々の健康を食の面からサポートする役割を担っています。そのため、健康な身体の中でどのようなことが起こっているのか、またどのように調節されているのかを理解することはとても大切です。
【家政学部 管理栄養学科】