2023年10月27日 (金)

授業紹介(基礎栄養学実験)

管理栄養士がヒトの健康を考える際、タンパク質などの栄養素、遺伝子、細胞といった非常に小さなものに注目することも必要になります。1年生秋セメスター開講の基礎栄養学実験は、そのような肉眼では見えないものを通して栄養学を学ぶ実習です。

微小な対象を扱うには専用の機器、器具、そしてこれらを正しく扱う操作法が必要になりますので、実習期間の前半では機器・器具の取り扱い方を学びます。それでは初回の実験を紹介しましょう!

まず、液体をマイクロリットル単位(「マイクロ」は「ミクロ」とも呼ばれ、100万分の1を意味します)で量りとる時にはマイクロピペットを使います。以前の授業紹介(生化学実験②)の実験操作でもでてきましたよね。

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[マイクロピペットでタンパク質溶液を量り取っています。]

今回は微量のタンパク質量を測定するために、マイクロピペットを使ってタンパク質溶液とタンパク質を染色する色素溶液を混合しました。こうすることでタンパク質の解析が容易になります。

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[濃度の異なるタンパク質溶液を染色しました。濃度の高低が色の濃淡に反映されます。]

染色したタンパク質溶液は分光光度計と呼ばれる分析装置を使って解析し、溶液中のタンパク質の濃度を計算します。

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[分光光度計により染色したタンパク質溶液を解析するところです。]

今後は、栄養素の有無によって細胞の形が変化する様子を顕微鏡で観察したり、遺伝子と栄養素摂取の関連をPCR法(新型コロナウイルスのPCR検査と同じです)で考察したりします。色々な実験を通してミクロの視点を養い、「大切なものは目に見えない」ことを意識できる管理栄養士への大きな一歩を踏み出します。



【家政学部 管理栄養学科】