2023年07月03日 (月)

授業の紹介 「特別支援教育論」

今月は「特別支援教育論」(佐藤 雅己 准教授 担当)を紹介します。

「誰一人取り残さない」学級、学校、社会づくりのために、私たちができることは何でしょうか?
これが、授業のテーマです。

「皆さん、そもそも『障害』って何でしょうか?」
教室棟にある階段の画像を提示します。
階段.jpg

「この階段は、多くの皆さんが使っていると思います。」
「でも、車いすに乗っている人は、階段昇降機などなしにここを使うことは、極めて困難です。」
「ところで皆さん、この階段の段差が1メートルだったら、皆さんは上ることができますか?」「え、皆さんも障害のある方ですか?」
「(しーん)・・・」。

「DSM-(アメリカ精神医学会作成:精神疾患の診断・統計マニュアル)にある『注意欠如・多動症(ADHD)』の診断基準を見てみましょう。」

a. 細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
b. 注意を持続することが困難。
c. 上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。 ・・・等々

「ところで皆さん、今までミスをしたことが一度もないという方はいますか?」
「私の授業を90分間、集中を切らさずにずっと聞き続けられる人はいますか?」
「多かれ少なかれ、自分にも当てはまることがたくさんあるのではないですか?」
「確かに・・・」

「障害は、その人に原因があるというよりは、社会(人や環境、システムなど)に原因があると考えられませんか?それに、そもそも障害と言われているものは、「ない・ある」の2極論ではなく、地続きになっていますね。」

グラデーション.png

このページを見てくださった皆さん、ぜひ一緒に「障害」について正しく知り、「誰一人取り残さない」学級、学校、社会づくりのためにできることを考えていきましょう!



【教育学部 教育学科】